パワーポイントでバナーの作り方|崩れない設定と高画質な書き出し5手順
バナー広告を作るのに、専用のデザインソフトは必ずしも必要ありません。使い慣れたパワーポイントでも、設定さえ正しく押さえれば、入稿に耐えるバナーが作れます。
ただし、つまずくポイントははっきりしています。スライドサイズをピクセルに合わせずに作って寸法がずれる、書き出すと文字がぼやける、ファイル容量が規定を超える——。この3つが、パワーポイント製バナーが「なんだか素人っぽい」と言われる主な原因です。
この記事では、パワーポイントでのバナーの作り方を5つのステップに分け、崩れさせないための設定と書き出しのコツを解説します。デザイナーに頼まなくても、自分で発注できる品質まで持っていくのが目標です。
この記事でわかること:
- パワーポイントでのバナーの作り方(5ステップの全体像)
- ピクセル指定をcmに換算する早見表(96dpi基準)
- 書き出した画像がぼやける原因と、解像度を上げる設定
- PNGとJPEGの選び分け、YDAの300KB制限への対処
- パワーポイントでの制作が限界になる境目
※ サイズ展開や量産までパワーポイントで手作業するのが大変になってきたら、AIバナー作成の始め方も選択肢になります。TaskyならURLを入れるだけで、1枚約45円から数分でバナーを生成できます(7日間無料トライアル)。
パワーポイントでのバナーの作り方|5つのステップ

まず全体像を押さえます。パワーポイントでのバナーの作り方は、次の順番で進めると手戻りが減ります。
- 掲載先のサイズと容量を決める — 媒体の入稿規定を先に確認する
- スライドサイズをピクセルから設定する — 96dpi換算で正確に合わせる
- 崩れないレイアウトで作る — ガイドと文字量のルールを守る
- 高画質で書き出す — 解像度設定と形式の選び分け
- 容量を規定内に収める — 圧縮と形式変換で調整する
ポイントは、作り始める前の1と2です。ここを飛ばして先にデザインを作ると、後からサイズを変えたときにレイアウトが崩れ、作り直しになります。順番に見ていきます。
ステップ1:掲載先のサイズと容量を先に決める

最初にやるべきは、デザインではなく「どの媒体のどのサイズに出すか」を決めることです。バナーのサイズは媒体ごとに規定が異なり、寸法が合っていないと表示が崩れたり、入稿で弾かれたりします。
主要なディスプレイ広告(GDN・YDA)でまず使うのは、次の3サイズです。
| サイズ(px) | 配信面 |
|---|---|
| 300×250 | 記事中レクタングル |
| 728×90 | PC向けリーダーボード |
| 320×50 | スマホ画面下部 |
この3つでGDN・YDAの配信面の大半をカバーできます(Google広告ヘルプ)。SNS広告なら1080×1080(正方形)や1080×1350(縦長)が中心です(Meta広告ガイド)。媒体別の全サイズは「広告バナーサイズ一覧」に整理しています。
同時に、ファイル容量の上限も確認します。GDNは5,120KBと余裕がありますが、YDAは実質300KB以内に収める必要があります(Yahoo!広告ヘルプ)。容量の厳しい媒体に出すなら、作る段階から軽量化を意識しておきます。
ステップ2:スライドサイズをピクセルから正確に設定する

ここがパワーポイント特有のつまずきポイントです。パワーポイントのスライドサイズは、ピクセルではなくセンチメートルやインチの実寸で指定します。ピクセル欄はありません。そのため、目標のピクセル数を実寸に換算してから入力します。
換算の基準は、1インチ=96ピクセルです(Microsoft公式ヘルプ)。たとえば標準のワイド画面16:9は13.333×7.5インチで、96dpi換算だと1280×720ピクセルに相当します。この基準でバナーの各サイズをセンチに直すと、次のようになります。
ピクセル→cm換算の早見表(96dpi基準)

| バナーサイズ(px) | 幅(cm) | 高さ(cm) |
|---|---|---|
| 300×250 | 7.94 | 6.61 |
| 336×280 | 8.89 | 7.41 |
| 728×90 | 19.26 | 2.38 |
| 320×50 | 8.47 | 1.32 |
| 1080×1080 | 28.58 | 28.58 |
| 1200×628 | 31.75 | 16.61 |
1ピクセルは約0.0265cm(2.54cm÷96)です。目標のピクセル数にこの値を掛ければ、表にないサイズも自分で計算できます。
設定の手順は次のとおりです。
- 「デザイン」タブの右端にある「スライドのサイズ」を開く
- 「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選ぶ
- 幅と高さの欄に、換算した数値を入力する
- 内容の扱いを聞かれたら「サイズに合わせて調整」を選ぶ
「最大化」を選ぶと要素が拡大され、はみ出すことがあります。まっさらなスライドから作るならどちらでも構いませんが、迷ったら「サイズに合わせて調整」が無難です。
小さいサイズ・横長サイズで崩れないための工夫

320×50のような細長いバナーは、実寸にすると高さ1.32cmしかありません。この小ささで文字やロゴを置くと、作業中に細部が見えず、配置が甘くなります。
対策は、目標の2〜3倍の大きさで作り、書き出した後に画像編集ソフトやオンラインツールで縮小することです。縮小するとエッジが締まって、かえってくっきり仕上がります。この「大きく作って縮小する」考え方は、次の書き出しの精度にも直結します。
ステップ3:崩れないレイアウトの作り方

サイズが決まったら、レイアウトを組みます。バナーで崩れを防ぐコツは、要素を減らすことに尽きます。
- 伝えることを1つに絞る — 1枚のバナーで言いたいことは1メッセージ。詰め込むほど弱くなります
- 文字を大きく、少なく — 小さい配信面では、長い説明文は読まれません。核になる言葉とクリックしてほしい行動(CTA)だけ残します
- ガイドで余白を揃える — 「表示」タブのガイドやグリッド線を使い、上下左右の余白を同じ幅に揃えると、素人っぽさが消えます
- 明るすぎる画像は避ける — 白飛びするほど明るい画像は、Google広告の審査で弾かれる場合があります(Google広告ヘルプ)
デザインの優先順位や配色の考え方は「広告バナーデザインのコツ」で詳しく解説しています。バナーの企画から配信までの全体の流れを知りたい場合は「バナー広告の作り方」も参考になります。
ステップ4:高画質で書き出す(最大のつまずき)

パワーポイント製バナーが「ぼやける」と言われる原因の多くは、この書き出し工程にあります。
パワーポイントの画像書き出しは、標準で96dpiです(Microsoft公式ヘルプ)。スライドを実寸どおりに96dpiで書き出すと、目標のピクセル数ちょうどで出力されます。ここまでは問題ありません。問題は、文字やロゴのエッジが96dpiだと粗く、拡大すると目立つことです。
書き出し解像度を上げる設定

Windows版なら、レジストリに「ExportBitmapResolution」という値を追加して、書き出し解像度を上げられます(Microsoftサポート記事 KB827745)。手順の要点は次のとおりです。
- 作業前にレジストリのバックアップを取る
- regeditで
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\PowerPoint\Optionsを開く(16.0はMicrosoft 365・2016以降。2013は15.0) - 新規に32ビットDWORD値を作り、名前を
ExportBitmapResolutionにする - 10進数で
300を指定する - 設定後にスライドを画像として書き出す
旧バージョンでは、設定値にかかわらず長辺が3,072ピクセルを超えないという上限がありましたが、Microsoft 365では指定どおりに書き出せるよう改善されています(Microsoft公式ヘルプ)。レジストリ操作に抵抗がある場合やMac版の場合は、ステップ2で触れた「大きく作って縮小」で代替できます。
書き出す手順と形式の選び分け

書き出しは「ファイル」→「エクスポート」→「ファイルの種類の変更」から、PNGかJPEGを選びます。スライド内の特定の図だけ取り出したいときは、対象を右クリックして「図として保存」が便利です(キヤノン公式サポート)。
形式は次のように選びます。
- PNG — 文字・ロゴ・くっきりした線・透過背景を含むバナー向け。にじみが出にくい
- JPEG — 写真が主体で色数が多いバナー向け。容量を抑えやすい
文字中心のバナーをJPEGで書き出すと、文字の周りにノイズ(モスキートノイズ)が出ることがあります。バナーは文字が主役になりやすいので、迷ったらPNGが安全です。
なお、高解像度の写真を貼ったまま作業すると、パワーポイントが自動でその画像を圧縮することがあります。「ファイル」→「オプション」→「詳細設定」で「ファイル内のイメージを圧縮しない」を選ぶと、意図しない劣化を防げます(Microsoft公式ヘルプ)。
ここまでの設定を、媒体ごとに何サイズも繰り返すのは手間がかかります。1枚のデザインを全サイズに自動展開したいなら、Taskyのマジックリサイズが使えます。外注だとサイズ展開は1枚あたり追加2,000〜5,000円かかりますが、Taskyは追加クレジットのみで展開できます。詳しくはこちら
ステップ5:ファイル容量を規定内に収める

最後に、書き出した画像を媒体の容量規定に収めます。特にYDAの300KB制限に引っかかるケースが多いので、超えた場合は次の順で対処します。
- PNGからJPGに変換する — 写真ベースのバナーなら、JPGのほうが軽くなります
- JPGの圧縮率を調整する — 品質80%程度まで下げても、バナーサイズでは劣化がほぼ分かりません
- 画像圧縮ツールを使う — TinyPNGやSquooshなどの無料ツールで、見た目を保ったまま50〜70%圧縮できます
容量を無理に削ると画質が落ちます。文字が主役のバナーは、形式をPNGのまま圧縮ツールで削るほうが、画質を保ちやすいことが多いです。
パワーポイントでの制作が限界になるとき

パワーポイントは、1枚のバナーを丁寧に作るのには十分使えます。限界が出るのは、次の3つの場面です。
- サイズ展開 — 1つの訴求を媒体ごとの複数サイズに作り分ける作業。全媒体に出すと1訴求で20サイズ前後になり、1枚ずつレイアウトを組み直す必要があります
- 量産とABテスト — 訴求を複数パターン試すたびに、全サイズを手作業で作り直すことになります
- ピクセル精度 — 実寸換算のズレや書き出し解像度の調整が、サイズごとに発生します
外注でこのサイズ展開を頼むと、1枚あたり追加2,000〜5,000円が積み上がります。手作業と外注のどちらでも、検証回数を増やすほどコストと時間が膨らむ構造です。
ここを自動化するのが、AIバナー制作ツールの役割です。TaskyはURLを入れるだけで訴求設計からバナー生成まで行い、マジックリサイズで1枚を全サイズに自動展開します。日本の配信面(GDN・YDA・Meta・LINEなど)のサイズ規定にも対応しています。1枚を丁寧に作るのはパワーポイント、量産とサイズ展開はAIツール、という分担が現実的です。
よくある質問
Q1. パワーポイントでバナーのサイズはどう設定しますか?
「デザイン」タブの「スライドのサイズ」→「ユーザー設定のスライドのサイズ」で、幅と高さを入力します。パワーポイントはcm・インチ指定なので、目標のピクセル数を96dpi基準(1インチ=96px、1px=約0.0265cm)で換算してから入れます。たとえば300×250pxは7.94×6.61cmです。
Q2. パワーポイントで作ったバナーがぼやけるのはなぜですか?
書き出しの標準解像度が96dpiで、文字やロゴのエッジが粗く出るためです。Windows版ならレジストリの ExportBitmapResolution を300に設定すると解像度が上がります。レジストリを触りたくない場合は、目標の2〜3倍の大きさで作り、書き出した画像を縮小するとくっきり仕上がります。
Q3. パワーポイントのバナーはPNGとJPEGのどちらで保存すべきですか?
文字・ロゴ・透過背景を含むバナーはPNGが向いています。JPEGだと文字の周りににじみが出ることがあります。写真が主体で色数が多い場合は、容量を抑えやすいJPEGが有利です。バナーは文字が主役になりやすいので、迷ったらPNGを選びます。
Q4. パワーポイントで320×50のような細長いバナーは作れますか?
作れます。ただし実寸では高さ1.32cmと小さく、そのサイズで作業すると細部が見えにくくなります。2〜3倍の大きさで作ってから、書き出した画像を縮小する方法をおすすめします。
Q5. パワーポイントとAIバナーツールはどちらでバナーを作るべきですか?
1枚を時間をかけて作るならパワーポイントで十分です。複数サイズへの展開や、訴求を変えた量産・ABテストが必要になったら、AIツールのほうがコストと時間で有利になります。月に3〜4本以上の制作があるなら、AIツールの導入でROIが合いやすくなります。
パワーポイントでのサイズ展開に限界を感じたら、Taskyの7日間無料トライアルで試せます。登録時に300ポイントが付与され、URLを入れるだけでバナーを生成できます。
まとめ — 設定と書き出しを押さえれば、パワポでも崩れない
パワーポイントでバナーを作るときの要点を振り返ります。
- サイズは先に決める — 媒体の入稿規定(サイズ・容量)を確認してから作り始める
- ピクセルは96dpiで換算 — 300×250pxなら7.94×6.61cm。実寸に正確に合わせる
- 書き出しは解像度を上げる —
ExportBitmapResolutionを300に、または大きく作って縮小 - 形式はPNG優先 — 文字中心のバナーはにじまないPNGが安全
- 容量は圧縮で調整 — YDAの300KB制限は形式変換と圧縮ツールで対処
1枚を丁寧に作る分にはパワーポイントで戦えます。一方、サイズ展開や量産でコストが膨らんできたら、AIバナー作成の始め方も検討してみてください。設計からサイズ展開までを自動化すれば、検証に使える時間が増えます。







