ビューアブルインプレッションとは、広告が実際にユーザーの画面で「見える状態」になった表示回数のことです。配信された回数ではなく、目に触れる機会があった回数を数えます。

広告費は使っているのに成果が伸びない。その原因が、そもそも広告が見られていないことにあるケースは珍しくありません。この記事では、定義から測定基準、混同しやすい関連指標、視認率を上げる具体策までを整理します。

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この記事でわかること

  • 視認可能なインプレッションの定義と、通常のインプレッションとの違い
  • IAB/MRCが定める測定基準の考え方
  • 視認可能率・測定可能率・vCPMという関連指標の関係
  • Google広告での確認方法と、視認率を上げる3つの改善施策
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ビューアブルインプレッションとは — 画面で「見えた」表示だけを数える指標

画面内に映った広告だけを視認された表示として数え、画面外の広告を除外する仕組みを示す概念図

広告が画面内に一定の条件で表示された回数を指します。日本語では「視認可能なインプレッション」とも呼ばれます。

ポイントは、配信された広告のすべてが目に触れるわけではないという事実です。ページ下部に読み込まれたまま一度もスクロールされず、画面に映らなかった広告も、従来のインプレッションには1回として計上されます。そこから「実際に見える位置に表示されたもの」だけを抜き出したのが、この指標です。

通常のインプレッションとの違い

読み込みで数える通常のインプレッションと画面表示で数える視認可能なインプレッションを左右で対比した概念図

インプレッションは「広告が配信・表示された回数」で、ページに読み込まれた時点でカウントされます。一方こちらは「画面内で視認できる状態になった回数」です。

同じ100回の配信でも、画面外で終わった表示が含まれていれば、視認された回数はそれより少なくなります。

指標数えるものカウントの条件
インプレッション広告の表示回数広告が読み込まれた
視認可能なインプレッション視認できた回数一定面積が一定時間、画面に表示された

この2つがずれるほど、「配信はされているのに見られていない広告」が多いことになります。

なぜこの指標が重視されるのか

広告費が見られた広告と画面外で消えた広告に分かれ、後者が無駄になる関係を示す概念図

理由はシンプルで、見られていない広告にはお金を払う価値がないからです。表示回数だけで評価すると、画面外で消えた広告のぶんまでコストに含めてしまいます。

日本インタラクティブ広告協会(JIAA)も、視認された広告とそうでない広告では広告価値が異なるという観点から、調査やガイダンスを公開しています(JIAA 広告価値検証調査)。まず「自社の広告がどれだけ見られているか」を把握することが、無駄打ちを減らす出発点になります。

広告表示の基礎から押さえたい方は、バナー広告とはも合わせてどうぞ。

測定の基準 — IAB/MRCが定める「面積50%・1秒」

広告面積の50%以上が1秒以上表示されると視認としてカウントされる基準を示す概念図

視認の判定には、業界共通の基準があります。米国の業界団体であるIAB(Interactive Advertising Bureau)とMRC(Media Rating Council)のガイドラインが、世界的な標準として使われています。

ディスプレイ広告の基準

画像バナーの面積50%以上が1秒続くと視認としてカウントされるディスプレイ広告の基準を示す図

ディスプレイ広告(画像バナー)は、広告の面積の50%以上が1秒以上続けて画面に表示されると、1回の視認としてカウントされます(MRC測定ガイドライン)。「半分以上が画面に映り、その状態が続いた」ときに数える、というルールです。

動画広告の基準と、大型広告の例外

動画広告の50%・2秒基準と、大型広告で面積条件が30%に緩和される例外を左右で示す概念図

動画広告は基準が少し厳しく、半分以上が映った状態で2秒以上の再生が必要です。

また、サイズの大きい広告には例外があります。面積が242,500px以上の大型広告は、画面に全体を収めにくいため、表示面積の条件が3割まで緩和されます(Google広告ヘルプ)。

国内の指針(JIAA)

国内のJIAA指針と世界標準のIAB/MRC基準が同じ物差しで媒体社と広告主をつなぐ様子を示す概念図

国内では、JIAAが「ビューアブルインプレッション測定ガイダンス」を公開しています(JIAA測定ガイダンス)。測定に関わる基本知識や留意点を整理したもので、媒体社・広告主が同じ物差しで会話するための土台です。基準の考え方はIAB/MRCと同じ方向を向いています。

混同しやすい関連指標を整理する

測定可能なインプレッションの内側に視認されたインプレッションがあり、割合が視認可能率、コストがvCPMになる入れ子関係を示す概念図

似た名前の指標がいくつかあります。ここで関係を整理しておきましょう。

視認可能率と測定可能率

測定可能なインプレッションから視認されたインプレッションへ絞られ、その割合が視認可能率になる関係をファネルで示す概念図

Google広告のActive Viewでは、次の3つがセットで語られます(Google広告ヘルプ)。

  • 測定可能なインプレッション: 視認性を測定できる面に表示された回数
  • ビューアブルインプレッション: そのうち、基準を満たして視認された回数
  • 視認可能率(ビューアビリティ): 測定可能なうち、実際に視認された割合

計算式にすると、視認可能率はこうなります。

視認可能率 = 視認された回数 ÷ 測定可能なインプレッション

たとえば測定可能な表示が10,000回、そのうち視認されたのが6,000回なら、視認可能率は60%です。「配信のうちどれだけが目に触れたか」がひと目で分かります。

vCPM(視認可能CPM)

表示1000回あたりのCPMと視認1000回あたりのvCPMを対比し、除外により後者が高く出る関係を示す概念図

vCPM(viewable CPM)は、視認された1,000回あたりのコストを表す指標です。通常のCPMが「表示1,000回あたりのコスト」なのに対し、vCPMは見られていない表示を除いて計算します。

そのため、同じ配信でもvCPMは通常のCPMより高く出るのが普通です。認知目的の配信では、CPMだけでなくvCPMまで見ると「本当に届いたコスト」を把握しやすくなります。

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Google広告・Yahoo!広告での確認方法

広告媒体の管理画面レポートで視認に関する指標を列として確認する様子を示す概念図

主要な広告媒体の管理画面で、視認に関する指標を確認できます。

Google広告のActive View

Active Viewがディスプレイと動画の配信結果に3つの視認指標を返す様子を示す概念図

Googleは視認性の計測技術を「Active View」という名前で提供しています。ディスプレイ・動画の配信結果に、視認の指標が並びます(Active Viewの概要)。

レポートで確認できる代表的な指標は次のとおりです。

  • アクティブ ビュー: 視認範囲のインプレッション
  • アクティブ ビュー: 測定可能率
  • アクティブ ビュー: 視認可能率

これらを列に追加すると、キャンペーンや広告グループ単位で「どれだけ見られているか」を追えます。

レポートの見方と目安

視認可能率をまず見て原因を切り分け、自社の過去データを基準に改善する読み方を示す概念図

まず見るべきは視認可能率です。この数字が低い場合、掲載面が画面の外に多い、あるいはスクロールされずに離脱されている可能性があります。

数字は業種や配信面で幅が出るため、他社平均をそのまま目標にするより、自社の過去データを基準に「先月より上げる」と設定するのが現実的です。効果測定の全体像を整えたい場合は、コンバージョン計測の設定方法も参考になります。なおYahoo!広告(LINEヤフー)でも、ディスプレイ広告で同様の指標を確認できます。

視認率を上げる3つの改善施策

掲載面の見直し・サイズ最適化・1秒で伝わるクリエイティブの3施策で視認可能率が上がる構造を示す概念図

視認可能率が低いと分かったら、次は改善です。運用ですぐ着手できる3つを紹介します。

① 掲載面(プレースメント)を見直す

プレースメント別の視認可能率を比べ、低い面を除外して見られやすい面を残す改善を示す概念図

視認率は、広告がどこに表示されるかで大きく変わります。ページ最下部や、コンテンツから遠い枠は、スクロールで飛ばされやすく視認率が下がりがちです。

プレースメント別の視認可能率を確認し、極端に低い面を除外する。この一手だけでも全体の数字は動きます。ファーストビューに近い枠や記事本文中の枠は、相対的に見られやすい傾向があります。

② 視認されやすいサイズ・フォーマットにする

縦長バナーが画面に長くとどまり、複数サイズを用意して視認率と成果を比較する様子を示す概念図

サイズによっても結果は変わります。縦長のバナーは、スクロール中に画面へ長くとどまりやすいと言われます。媒体が推奨する複数サイズを用意し、視認率とあわせて成果を比較しましょう。

1つの広告を複数サイズへ展開するのは手間ですが、絞りすぎると見られやすい面に出せなくなります。媒体別の規定は広告バナーのサイズ一覧で確認できます。

③ 「1秒で伝わる」クリエイティブにする

訴求を1つに絞った1枚1メッセージのバナーを複数パターン検証して勝ち型を見つける流れを示す概念図

視認の判定は、わずか数秒の表示が条件でした。裏を返せば、勝負はその一瞬です。見えた瞬間に伝わらなければ、視認されても記憶に残りません。

そこで効くのが、訴求を1つに絞ったクリエイティブです。要素を詰め込まず、誰に何を伝えるかを1枚1メッセージに整理する。そのうえで切り口を変えた複数パターンを検証し、伝わり方の良い型を見つけます。

この「1メッセージのパターンを大量に作る」工程は、手作業だと制作コストがボトルネックになります。Tasky は、広告したいページのURLを入力するだけで、訴求設計からバナー生成・サイズ展開までを自動化します。1枚あたり約45円〜、月180枚程度を月額9,800円(Personal・年契約)で生成でき、従来の外注制作と比べて制作コストを約1/50に抑えられます。見られる一瞬で伝わる型を、数多く試す土台になります。

よくある質問

Q. ビューアブルインプレッションとは何ですか?

広告が実際にユーザーの画面で視認できる状態になった表示回数のことです。配信された回数を数える通常のインプレッションと違い、画面外で終わった表示は含めません。IAB/MRCの基準では、ディスプレイ広告で面積の50%以上が1秒以上表示された場合に1回と数えます。

Q. ビューアビリティ(視認可能率)とは違うのですか?

数える対象が異なります。前者は「視認された回数」そのもの、視認可能率は「測定可能な表示のうち視認された割合」です。視認可能率=視認された回数÷測定可能なインプレッション、という関係になっています。

Q. 視認率の目安はどれくらいですか?

業種・配信面・デバイスで幅が大きいため、単一の目安を当てはめるのは避けたほうがよいです。他社平均を追うより、自社の過去データを基準に少しずつ引き上げるのが現実的です。まずは媒体のActive Viewなどで現状値を把握しましょう。

Q. 通常のインプレッションとどちらを見るべきですか?

目的によります。とにかく多く配信したいなら通常のインプレッション、届いた実感を伴う認知を重視するなら視認された回数やvCPMを見ます。両方を並べて、そのギャップ(見られていない割合)を把握するのがおすすめです。

まとめ — 「見られているか」を数字で押さえる

ビューアブルインプレッションのポイントを振り返ります。

  • 広告が画面で視認された表示回数を数える指標。配信回数とは別物
  • IAB/MRCの基準は、ディスプレイで面積50%が1秒以上、動画は2秒以上
  • 視認可能率(=視認された回数÷測定可能)とvCPMを合わせて見ると、届いたコストが分かる
  • 視認率を上げる施策は、掲載面の見直し・サイズ最適化・「1秒で伝わる」クリエイティブの3つ

広告が見られているかは、感覚ではなく数字で判断できます。まず現状の視認可能率を把握し、掲載面とクリエイティブから改善していきましょう。

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