広告予算の決め方|目的から逆算する5つの計算方法【2026年版】
「広告にいくらかけるべきか」。この問いに、相場表だけで答えるのは難しいです。同じ月30万円でも、売上規模や目標によって、多すぎることも少なすぎることもあるからです。
広告予算決め方の基本は、相場に合わせることではなく、自社の目標と数字から逆算することです。この記事では、代表的な5つの計算方法と、業種別の目安、決めた予算の配分までを、具体的な数字と一緒に整理します。自社に必要な額を、自分で計算できる状態を目指します。
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この記事でわかること
- 広告予算を決める代表的な5つの計算方法と、それぞれの計算式
- 業種別・売上高に対する広告費比率の目安
- 決めた予算を「媒体・検証枠・ファネル」へ配分する考え方
- 予算決めでやりがちな3つの失敗
- 媒体別の相場の数字はどこで確認すればいいか
広告予算決め方の全体像|「相場合わせ」から「目的逆算」へ

広告予算を決める出発点は、相場を知ることです。ただ、相場は「世の中の平均」であって「自社の正解」ではありません。相場に合わせるだけでは、目標に届く保証がないからです。
そこで、広告予算決め方は2段階で考えます。まず業種の相場でおおよその幅をつかみ、次に自社の目標から必要額を逆算して確定させます。媒体別の月額やCPC・CPMといった相場の数字は、広告費用の相場【媒体別早見表】 にまとめています。本記事は、その相場を踏まえて「自社の額をどう決めるか」に絞ります。
広告費は「媒体費+運用費+制作費」の3層

予算を組むときは、広告費を3つに分けて考えます。この分解を飛ばすと、あとで運用の手数料や制作費が想定外に膨らみます。
- 媒体費 — Google・Metaなどのプラットフォームに払う出稿費そのもの
- 運用費 — 代理店に任せる場合の手数料(媒体費の15〜25%が相場)
- 制作費 — バナーや動画などクリエイティブの制作費
「出稿費だけ」で予算を見積もると、総額はこの運用費と制作費のぶん膨らみます。まず3層に分けることが、予算づくりの土台になります。
広告予算決め方の5つの計算方法

予算の決め方には、代表的な5つの方法があります。1つに絞らず、複数を組み合わせて確定させるのが実務的です(Shirofune、ficil)。
①目標基準法(タスク法)|目標から逆算する

最も基本になるのが、目標から必要額を積み上げる方法です。計算式は「目標CV数 × 目標CPA = 必要予算」。
例えば月100件の申し込みを、獲得単価1万円で取りたいとします。この場合、100件 × 1万円 = 月100万円が必要予算の目安です(Shirofune)。目標とCPAが決まっていれば、社内で最も説明しやすい方法です。CPA・ROASの計算方法は ROASとは で解説しています。
②売上高比率法|売上の一定割合を充てる

売上(実績または見込み)に、一定の割合をかけて決める方法です。計算式は「売上 × 広告費比率」。事業が安定していて、参考にできる過去実績がある場合に向きます(Shirofune)。
注意したいのは、売上が落ちると自動的に予算も減る点です。攻めるべき時に予算を削らないよう、比率は固定しすぎないほうが無難です。
③許容CPA・LTVから決める|上限で守る

顧客が生涯で生む利益(LTV)を基準に、獲得1件にかけてよい上限を決める方法です。計算式は「LTV ×(1−利益率)= 許容CAC(許容獲得単価)」。
例えばLTVが30万円、利益率が30%なら、21万円までは1件の獲得にかけてよい計算です(Shirofune)。上限を先に決めるので、赤字配信を防ぎやすくなります。サブスクやリピート商材に向く方法です。
④ROAS法|EC・通販向け

広告費に対して何倍の売上を回収したいかから逆算する方法です。計算式は「広告費 × 目標ROAS = 目標売上」。売上が直接計測できるEC・通販に向きます(Shirofune)。目標ROASが400%なら、100万円の広告費で400万円の売上が回収ラインです。
⑤競合・市場ベンチマーク法|相場から幅をつかむ

競合や業界平均に合わせて水準を決める方法です。不動産や保険のように、露出量そのものが競争になる市場で使われます。ただし単独で使うと根拠が弱いため、①〜④と組み合わせる補助的な位置づけが向いています。
| 計算方法 | 計算式 | 向くケース |
|---|---|---|
| ①目標基準法(タスク法) | 目標CV数 × 目標CPA | 目標が明確・過去データがある |
| ②売上高比率法 | 売上 × 広告費比率 | 事業が安定している |
| ③許容CPA・LTV法 | LTV ×(1−利益率) | サブスク・リピート商材 |
| ④ROAS法 | 広告費 × 目標ROAS | EC・通販 |
| ⑤ベンチマーク法 | 競合・業界平均に合わせる | 露出競争が激しい業種 |
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業種別・広告費の売上比率の目安

②の売上高比率法を使うとき、目安になるのが業種別の広告費比率です。日本の全業種平均は、売上高の1〜3%程度とされます(経済産業省の調査ベース、イーネクスト)。ただしこれは広告を出していない企業も含む平均で、業種差が大きい点に注意します。
| 業種 | 売上高広告費比率の目安 |
|---|---|
| BtoB製造業・専門サービス | 1〜3% |
| 建設・リフォーム・不動産 | 3〜7% |
| 一般小売(実店舗) | 3〜5% |
| 飲食店・理美容 | 5〜10% |
| EC・通販(BtoC) | 10〜20% |
| SaaS・ITサービス | 10〜30% |
出典: イーネクスト、零、補助金ハブ。成長を優先する企業や、新規顧客の獲得が必要なBtoC業種では、平均の2〜3倍(3〜10%)を戦略的な投資ラインとする考え方もあります(イーネクスト)。
使い方はシンプルです。自社がどのゾーンかで予算の幅をつかみ、①の目標基準法で必要額を計算する。この2つをすり合わせると、現実的な予算に落ちます。
決めた予算をどう配分するか|媒体・検証枠・ファネル

広告予算決め方の次に効いてくるのが、配分です。総額を決めても、どこにいくら振るかで成果は変わります。配分は3つの軸で考えます。
検証枠と本番枠を分ける

最初から全額を本番配信に使わないことが大切です。予算の2割前後をテスト枠にして、勝ちパターンを見つけてから残りを寄せると、無駄打ちを減らせます。SNS広告なら1週間ほどで数字の傾向が見えるため、短いサイクルで検証を回せます。
媒体は目的で振り分ける

認知の拡大ならディスプレイやSNS、刈り取りならリスティング、と目的で媒体を分けます。媒体ごとにCPC・CPMの相場が違うため、同じ予算でも取れる成果が変わります。媒体別の数字は前述の相場早見表で確認してください。
ファネル(検討段階)で配分を変える

同じ商材でも、相手の検討段階によって刺さる訴求は変わります。検討段階は「まだ気づいていない/課題に気づいた/比べている/今すぐ欲しい」の4段で整理できます。今すぐ買う層に世界観を語っても遅く、まだ気づいていない層に割引を見せても響きません。段階ごとに予算と訴求を分けると、費用対効果が上がります。
広告予算決め方で失敗しないための3つの注意点

制作費を予算に入れ忘れる

媒体費だけで予算を組むと、制作費が抜け落ちます。バナーは外注で1枚5,000〜30,000円、サイズ展開でさらに1枚2,000〜5,000円が乗ります(Tasky product.md)。制作費の抑え方は 広告クリエイティブの費用削減 にまとめています。
予算を「使い切る」ことが目的になる

消化率だけを追うと、成果の悪い配信にも予算を流し続けてしまいます。予算は使い切るものではなく、目標CPAを守れる範囲で使うものです。目標に対して効率が悪い配信は、月の途中でも止める判断が要ります。
検証回数を確保できていない

広告の成果を最後に決めるのは、当たるクリエイティブを何回試せたかです。制作がボトルネックだと、予算があっても検証が回りません。実際に、制作を内製化して量産に切り替え、CPAを外注比1/3に改善した事例もあります(Tasky公式の導入事例)。制作コストを下げて検証回数を増やすことが、同じ予算で成果を伸ばす近道です。
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よくある質問
Q. 広告予算はどうやって決めればいいですか?
相場に合わせるのではなく、目標から逆算するのが基本です。「目標CV数 × 目標CPA」で必要額を出し、業種別の売上比率の目安(全業種平均1〜3%)とすり合わせます。本記事の5つの計算方法から、自社に合うものを選んでください。
Q. 広告費は売上の何%が目安ですか?
全業種の平均は、売上高の1〜3%程度です。業種差が大きく、BtoB製造業が最も低く、EC・SaaSが最も高くなります。具体的な水準は本文の業種別の表を参照してください。成長を優先するなら、平均を上回る投資ラインにする考え方もあります。
Q. 広告予算はいくらから始めればいいですか?
SNS広告なら、月3万〜5万円のテスト運用から始められます。最初は少額で複数パターンを検証し、反応の良い媒体・クリエイティブに予算を寄せるのが安全です。媒体別の最低予算の目安は、相場の早見表で確認できます。
Q. 広告予算の配分はどう決めますか?
「検証枠と本番枠」「媒体」「検討段階」の3軸で分けます。まず予算の2割前後をテストに充て、勝ちパターンを見つけてから残りを寄せます。媒体は目的(認知か刈り取りか)で振り分けると、無駄が減ります。
まとめ
広告予算決め方の要点を整理します。
- 予算は相場合わせではなく、目標から逆算して決める
- 代表的な方法は5つ(目標基準法・売上高比率法・許容CPA/LTV法・ROAS法・ベンチマーク法)。組み合わせて使う
- 業種別の売上広告費比率は幅が広い。まず自社のゾーンをつかむ
- 決めた予算は「検証枠・媒体・検討段階」の3軸で配分する
- 制作費の入れ忘れと、検証回数の不足に注意する
予算を決めることは、スタートラインにすぎません。成果を最後に伸ばすのは、当たるクリエイティブをどれだけ試せたかです。制作のボトルネックを外すことが、同じ広告費でより多くの成果を出す近道になります。






