占い広告には、通常の商材にはない「効果の壁」があります。同じ集客バナーでも、「必ず当たる」「運命が変わる」とにおわせた瞬間に、媒体審査だけでなく景品表示法や特定商取引法の観点で差し戻される可能性があるからです。占いサービスの市場規模は2023年度で997億円に達し、電話占いやメール・チャット占いは成長基調にあります(矢野経済研究所)。市場は伸びていますが、その裏で「効果の断定」と「不安をあおる勧誘」への規制はむしろ整備が進んでいます。この記事では、占い広告で「言っていいこと・ダメなこと」の境界線を先に押さえます。その上で、規制の中でも集客につながるバナーの設計方法を解説します。想定読者は、占いサービス・スピリチュアルサロン・占いメディアの広告担当者です。

この記事でわかること

  • 占いが合法でも、広告に「効果の断定」と「不安あおり」の規制がかかる理由
  • 「必ず当たる」「運命が変わる」が景品表示法・特定商取引法で問題になるNGライン
  • 不安をあおる勧誘が消費者契約法の霊感商法規制に触れる境界
  • 規制の中でも集客につながる占い広告の訴求5パターン
  • Meta・GDN別の審査要件(個人の特質・不実表示)とバナーサイズ
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占い広告は「効果の断定」と「不安あおり」がNG

占い広告の設計は、デザインより先に「効果を断定していないか」「不安をあおっていないか」を確認するところから始まります。ここを飛ばすと、どれだけ目を引くバナーを作っても、審査で差し戻されたり、景品表示法・特定商取引法・消費者契約法の観点で問題を問われたりしかねません。

押さえるべき原則はふたつです。占い広告は「必ず当たる」「願いが叶う」といった効果を断定・保証する表現が使えません。そして「このままでは不幸になる」と不安をあおって契約に迫る方向も避けます。集客の軸を「効果の保証」から「占術・相談体験・気軽さ」へ移すのが、占い広告の出発点になります。

市場は伸びている——狙う相手は30〜50代女性

占い市場は堅調です。矢野経済研究所によると、占いサービスの市場規模は997億円と推計されています。スピリチュアル関連7市場を合算すると、市場規模は4兆2,418億円にのぼります(矢野経済研究所)。対面占い・電話占い・メール/チャット占いは、いずれも成長基調にあります。

利用者像もはっきりしています。占いサービスの利用客は女性が約90%、年齢層は30〜50代が約80%を占め、利用目的の85%が恋愛・男女関係です(矢野経済研究所)。つまり占い広告が狙う相手は明確で、恋愛や人間関係の相談先を探す30〜50代の女性に、安心して相談できる場として届けるのが基本の設計になります。

合法でも規制は二重——媒体審査と日本の広告法

占いサービスの提供自体は違法ではありません。Googleでも、神秘主義・超能力・魔法などのスピリチュアル関連サービスは許可対象です(Google広告ポリシー)。Gmail広告のコンテンツポリシー上も、占いだから出稿できないわけではありません。

ただし、占い広告には二重の網がかかります。ひとつは各媒体の審査ポリシー、もうひとつは景品表示法・特定商取引法・消費者契約法という日本の広告関連法です。占いは効果を客観的に証明しづらい役務のため、「効果の断定」がそのまま優良誤認や誇大広告のリスクになりやすい点が、通常のEC商材や飲食店の広告と違うところです。

特に重い——消費者契約法の霊感商法規制

占い・スピリチュアル広告で最も注意したいのが、消費者契約法の霊感商法規制です。ポイントは、2023年1月5日に施行された改正法の中身です。霊感等の特別な能力で「重大な不利益が生じる」と不安をあおり、契約が必要不可欠だと告げて困惑させる勧誘が対象になります。こうして結ばせた契約は、取り消せるようになりました(政府広報オンライン/国民生活センター)。取消権の行使期間も、契約から10年・被害を知ってから3年へと延長されています(国民生活センター)。

これは契約勧誘そのものへの規制です。ただし広告も無関係ではありません。「このままでは悪い運気が続く」と不安をあおる訴求は、その延長線上にある勧誘の入り口として問題視されかねません。占い広告では、不安をあおって行動を迫る設計を避けるのが安全です。規制業種の広告全体の考え方は規制業種の広告設計もあわせて参考になります。

占い広告で避けるNG表現

規制の枠を超えた表現は、媒体審査で差し戻されるだけでなく、景品表示法違反や消費者契約法上のリスクにつながります。バナーは面積が小さくコピーを詰め込みがちな分、NG表現が紛れ込みやすいので注意が必要です。

効果を断定・保証する表現

占い広告で問題になりやすいのが、効果を断定・保証する表現です。景品表示法は、実際のものより著しく優良であると誤認させる表示を優良誤認として禁止しています(消費者庁)。「必ず当たる」「100%的中」「願いが必ず叶う」といった効果の保証は、客観的な裏づけがないまま優良性を示すものです。こうした表現は、優良誤認に該当するおそれがあります。

電話占いやメール占いのように、役務をオンラインで販売する場合はさらに注意が必要です。特定商取引法第12条は、通信販売で役務の内容等を著しく事実に相違して表示したり、著しく優良・有利と誤認させたりする誇大広告を禁止しています(消費者庁)。占いの効果を過度に約束する表現は、この誇大広告規制の対象にもなり得ます。

不安をあおって契約に迫る表現

占い広告に特有なのが、不安をあおる訴求です。「このままだと不幸になる」「悪い縁を断たないと危険」と不安をあおり、鑑定や商品の購入へ強く誘導する方向は避けます。前述のとおり、不安に乗じて契約を必要不可欠だと告げる勧誘は、消費者契約法の取消し対象になり得るからです(政府広報オンライン)。

広告の役割は、相手の不安を大きくすることではなく、「相談できる場所がある」と安心を届けることです。恐怖や焦りで行動を迫るコピーは、法的リスクだけでなく、サービスへの信頼も損ないます。

「当たるNo.1」「体験談」の落とし穴

「当たる占い師No.1」「日本一当たる」といったNo.1表示は、合理的な根拠がなければ景品表示法の優良誤認に該当するおそれがあります(消費者庁)。順位を打ち出すなら、客観的な調査に基づく根拠を用意しておくことが前提です。

口コミや体験談を使う場合はステマ規制にも注意します。2023年10月1日から、事業者が主導する口コミや紹介を、広告だと分からせずに出すことは景品表示法違反となりました(消費者庁)。占いは体験談が訴求に効きやすい分野ですが、事業者が用意した体験談を第三者の自然な声のように見せるのは避け、広告である旨を明示します。

NG表現NGの理由言い換えの方向
必ず当たる/100%的中効果の断定(景表法の優良誤認・特商法の誇大広告)占術・鑑定メニューを事実として提示
願いが必ず叶う/運命が変わる効果の保証で優良誤認のおそれ相談できる・気持ちを整理できると訴求
このままだと不幸になる不安をあおる勧誘(消費者契約法のリスク)恋愛・仕事の相談先として安心を訴求
当たる占い師No.1/日本一根拠のないNo.1表示は優良誤認在籍数・鑑定件数など客観情報を提示
(体験談を自然な口コミ風に演出)ステマ規制違反のおそれ広告・PR表記を明示した体験談にする

規制の中で成果を出す占い広告の訴求5パターン

効果の断定や不安あおりに触れられない以上、占い広告は「占術そのものの魅力」と「相談する体験の気軽さ」で選ばれる設計に切り替えます。ここでは、規制の枠内で集客につながりやすい訴求パターンを5つ整理します。狙う相手と、提供するサービスの強みに合わせて選びます。

パターン1: 占術・鑑定メニュー明示型

「タロットで恋愛を占う」「西洋占星術で2026年の運勢」。提供する占術や鑑定メニューを事実として告知する型です。何を占ってもらえるかは、利用者にとって最も基本的な選択理由になります。ここで守る一線は、占術や対応する相談内容の告知はできても、「これで必ず解決する」とにおわせないことです。メニュー・占術・所要時間といった客観情報にとどめます。

パターン2: 占い師のプロフィール・実績訴求型

「鑑定歴15年」「累計○万件の鑑定」。占い師の在籍年数や鑑定件数など、客観的に示せる情報を訴求する型です。効果を保証せずに信頼感を伝えられるため、規制と相性が良い軸です。訴求するのは経歴や実績の事実であって、「この先生なら必ず当たる」といった効果の断定ではない点に注意します。

パターン3: 悩みカテゴリ・相談導線型

「恋愛の悩み、話してみませんか」「仕事も人間関係も相談できる」。恋愛・仕事・人間関係といった悩みのカテゴリを入り口に、相談先として届ける型です。利用目的の85%が恋愛・男女関係という実態(矢野経済研究所)を踏まえると、恋愛相談を軸にした導線は狙う相手に届きやすくなります。ここでも不安をあおるのではなく、「相談できる」「気持ちを整理できる」という安心のトーンで設計します。

パターン4: 手軽さ・利便性訴求型

「チャットで気軽に」「深夜でも相談できる」。電話占いやチャット占いの利便性を訴求する型です。メール・チャット占いが成長基調にある実態(矢野経済研究所)を踏まえると、スキマ時間に相談したい層に効きます。「初回○分無料」などの特典を訴求する場合は、対象範囲や条件を明示し、実際の提供内容と食い違わないようにします。

パターン5: 口コミ・体験談型(PR明示)

「相談してよかった、の声」。利用者の体験談を紹介する型です。占いは体験の共感が訴求に効きますが、事業者が用意した声を出す場合はステマ規制を守り、広告・PRであることを明示します(消費者庁)。紹介するのは「相談して気持ちが軽くなった」といった体験の範囲にとどめ、「必ず当たった」と効果を保証する体験談にはしないのがコツです。

### 規制業種でこそ、検証の弾数がものを言う

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媒体別のバナー設計とサイズ

占い広告は、配信する媒体ごとに「審査のハードル」と「勝ちやすいサイズ」が変わります。効果を断定しない範囲でも、見ている人の悩みを断定する表現などは媒体審査で止まりやすいので、要件と推奨サイズを押さえます。

Meta(Instagram/Facebook)

Metaでは、広告を見た人の健康状態や悩みといった個人的な特質を、断定したり暗示したりする表現が禁止されています(Meta透明性センター)。占い広告で「あなたは今つらい状況ですね」「その恋の悩み、当たっていませんか」のように、見ている人の状態を言い当てる訴求はこのポリシーに触れやすいので避けます。相手を主語にせず、サービスの内容を主語にするのが安全です。推奨サイズは次のとおりです(Meta Business Ads Guide)。

フォーマット推奨サイズアスペクト比
Instagramフィード1080×1350px4:5
Facebookフィード1080×1080px1:1
ストーリーズ/リール1080×1920px9:16

縦長の4:5や9:16はモバイルの占有面積が大きく、占い師の世界観やサービスの雰囲気を伝える訴求と相性が良いです。効果を断定しない占術・相談体験の訴求は、ビジュアル主体のMetaで映えます。

GDN(Googleディスプレイ広告)

Googleでは、スピリチュアル関連のサービス自体はGmail広告のコンテンツポリシーで許可されていますが(Google広告ポリシー)、根拠のない効果の主張や誤解を招く表示は不実表示ポリシーで禁止されています(Google広告ポリシー)。「必ず当たる」「悩みが必ず消える」といった断定は、占いカテゴリだからではなく、不実表示として差し戻される点を押さえます。GDNで押さえるべきサイズは3つです(Google広告ヘルプ)。

サイズ名称用途
300×250pxレクタングル最も掲載面が多い
728×90pxリーダーボードPC上部
320×50pxモバイルバナースマートフォン

300×250はインプレッションが最も多く、GDN出稿なら必ず用意します。各サイズを手作業で作る工数を抑えたい場合は媒体別のバナーサイズも参考にしてください。

LINE・その他の配信面と注意点

LINEやYahoo!広告も占い・スピリチュアルカテゴリの審査基準を設けており、配信には各媒体の最新ポリシーへの適合が必要です。いずれの媒体でも、効果の断定や不安をあおる表現、見ている人の個人的属性を言い当てる表現は避けるのが共通の原則です。占い・スピリチュアルカテゴリは審査ポリシーが更新されやすいため、配信前に各媒体の公式ヘルプで最新の審査基準を必ず確認してください。

審査に落ちない占い広告の制作フロー

占いのバナー広告を媒体審査でスムーズに通すには、制作段階で次のフローを組み込むのが有効です。

  1. 効果を断定する語を洗い出す(必ず当たる・100%的中・願いが叶う・運命が変わる、といった保証表現をすべて除外する)
  2. 不安をあおる語を洗い出す(このままだと不幸・危険・放置すると、といった恐怖で迫る表現を除外する)
  3. 訴求軸を占術・実績・相談体験に切り替える(占術メニュー・占い師の実績・悩みカテゴリ・手軽さ・PR明示の体験談)
  4. No.1表示と体験談を点検する(順位表示は客観的根拠を用意、体験談は広告・PR表記を明示する)
  5. 配信媒体のポリシーと照合する(Metaは個人の特質、Googleは不実表示、各媒体の最新審査基準を確認)

最重要は、コピーを書く前の効果・不安チェック(ステップ1・2)です。ここが徹底できていれば、後工程は「訴求が占術・実績・相談体験の範囲に収まっているか」の照合だけで済みます。バナーデザインの基本はバナー広告の基本、審査の厳しい他業種の考え方は審査の厳しい業種の広告もあわせて参考になります。なお本記事は一般的な整理であり、実際の表現・審査対応は自社の顧問弁護士や各媒体の審査に従って最終判断してください。

Taskyで占い広告のバナーを量産する

バナー広告の基本を押さえた上で占い関連のバナーを量産しようとすると、すぐに制作リソースの壁に当たります。

訴求(占術メニュー・占い師の実績・悩みカテゴリ・手軽さ)× 媒体 × サイズを掛け合わせると、1サービスでも30〜50枚のバナーが必要になります。これを外注すると1枚5,000〜30,000円、納期も数日〜2週間かかります(Tasky product.md)。規制の中で勝ちパターンを探したいのに、制作が追いつかないという状態になりがちです。

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「タロットで恋愛を占う」「鑑定歴15年の占い師」「チャットで気軽に相談」といった効果を断定しない訴求のバリエーションを一括生成し、媒体に入稿してCTRを比べる。この検証サイクルを高速に回せることが、表現が制限される占い広告で成果を出す近道です。生成したバナーの表現が景品表示法・特定商取引法・消費者契約法・媒体ポリシーの範囲に収まっているかは、運用側で最終確認してください。

よくある質問

Q. 占い広告で「必ず当たる」「運命が変わる」と言えますか?

言えません。占いは効果を客観的に証明しづらい役務のため、「必ず当たる」「100%的中」「願いが必ず叶う」といった効果の断定・保証は、景品表示法の優良誤認に該当するおそれがあります。電話占いやメール占いのように役務をオンライン販売する場合は、特定商取引法の誇大広告規制の対象にもなり得ます。言えるのは、占術・鑑定メニュー、占い師の在籍年数や鑑定件数などの客観情報、相談できるという体験の範囲までです。

Q. 「このままだと不幸になる」と不安をあおる訴求は問題ありますか?

避けるべきです。霊感等の特別な能力で不安をあおり、契約が必要不可欠だと告げて困惑させた契約は、2023年1月5日施行の改正消費者契約法で取り消せるようになりました。広告が「放置すると危険」と不安をあおる方向だと、その勧誘の入り口として問題視されかねません。広告では相手の不安を大きくするのではなく、「相談できる」「気持ちを整理できる」という安心を届ける設計にします。

Q. 占い広告はGoogleやMetaに出せますか?

出せます。Googleではスピリチュアル関連のサービスがGmail広告のコンテンツポリシーで許可されており、Metaでも配信自体は可能です。ただしGoogleは根拠のない効果の主張を不実表示として禁止し、Metaは見ている人の悩みや健康状態などの個人的特質を断定・暗示する表現を禁止しています。カテゴリとして出せても、効果の断定や相手の状態を言い当てる訴求は審査で止まりやすい点に注意します。

Q. 占いのバナー広告はどんな訴求が有効ですか?

効果を断定できないため、占術と相談体験で選ばせる訴求が有効です。具体的には、占術・鑑定メニューの明示、占い師のプロフィール・実績、恋愛など悩みカテゴリの相談導線、チャット・深夜対応などの手軽さ、PRを明示した体験談の5パターンです。利用目的の85%が恋愛・男女関係という実態を踏まえ、恋愛相談を軸にした導線は狙う相手に届きやすくなります。

まとめ

  • 占いサービスは合法だが、広告には「効果の断定」と「不安あおり」という二大NGがあり、景品表示法・特定商取引法・消費者契約法と媒体ポリシーで制限される
  • 「必ず当たる」「運命が変わる」は優良誤認・誇大広告のリスク。「このままだと不幸」と不安をあおる勧誘は消費者契約法の取消し対象になり得る
  • 「当たるNo.1」は根拠がなければ優良誤認、体験談は2023年10月施行のステマ規制で広告・PR表記の明示が必要
  • 集客の軸は「占術メニュー・占い師の実績・悩みカテゴリ・手軽さ・PR明示の体験談」の5パターンへ。効果ではなく占術と相談体験で選ばせる
  • Meta・Googleはカテゴリとして配信できるが、個人の特質・不実表示の審査がある。制限が多い分、検証回数を増やして勝ちパターンを探すことが成果につながる
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