カルーセル広告は、1つの広告枠で複数の画像や動画を左右にスワイプして見せられるフォーマットです。商品点数が多くて1つの画像に収まらない、特徴を順番に説明したい。そんなとき、単一画像のバナーでは伝えきれない情報を1つの広告で届けられます。
ただ、カードを増やせば成果が上がるわけではありません。媒体ごとに使える枚数やサイズが違い、並べる順番でも反応が変わります。この記事では、仕組みから媒体別の仕様、成果を出す作り方の型までを具体例と数値で整理します。バナー広告そのものの基礎はバナー広告の基本もあわせて読んでみてください。
この記事でわかること
- カルーセルと単一画像バナーの違い、向いている商材
- Meta・Instagram・LINE・Xの媒体別カード枚数とサイズ
- 最初・中間・最後のカードで意識する作り方の型
- やりがちな失敗3つと直し方
- 複数カードの制作負荷を下げる方法
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カルーセル広告とは|複数のカードを横に並べて見せる広告

カルーセル広告とは、2枚以上のカード(画像や動画)を1つの広告にまとめ、スワイプして次々に見られるフォーマットです。Metaでは1つのカルーセルに2〜10枚のカードを設定できます(Meta公式)。単一画像バナーが原則1メッセージなのに対し、複数のメッセージを1枠で見せられるのが最大の違いです。
この構造には配信面でのメリットがあります。スワイプという操作が入るぶん、ユーザーの能動的な関与が生まれます。Metaやエージェンシーの集計では、カルーセルは単一画像の広告に比べてコンバージョン単価が下がりやすい傾向が報告されています(Lebesgue)。ただし、これは商材やターゲットによって幅があります。「カルーセルにすれば必ず安くなる」ではなく、「複数の切り口を一度に検証できるから当たりを見つけやすい」と捉えるのが実務的です。
カルーセル広告が向いているケース
伝えたい要素が複数あるときに効きます。次のような商材やシーンと相性がいいフォーマットです(デジマーケジャーナル)。
- 商品点数が多いEC: 1カード1商品で、複数の売れ筋を一度に見せる
- 特徴が複数ある商材: 機能やメリットを1カードずつ順番に説明する
- 手順やビフォーアフター: 使い方やステップを物語のように並べる
- 不動産・旅行: 複数の物件・プランを横並びで比較してもらう
逆に、訴求が1つに絞れていて「これだけ伝われば十分」という場合は、単一画像バナーのほうがシンプルに届きます。媒体別の使い分けはインスタ広告のバナー完全ガイドも参考になります。
静止画も動画も1つの広告に混在できる

カードには、静止画と動画の両方を使えます。最初のカードを動画で目を引き、2枚目以降を商品カットの静止画でつなぐ、といった構成も可能です。
カードごとにリンク先(URL)を変えられる点も特徴です。商品Aのカードは商品Aのページへ、商品Bのカードは商品Bのページへ飛ばせます。ECで複数商品を扱うとき、クリックを取りこぼしにくくなります。
媒体別に違うカルーセル広告の仕様
カルーセルは、媒体によって使える枚数やサイズが違います。同じ画像を全媒体に流用すると、トリミングされたり入稿が弾かれたりします。主要媒体の仕様を表で整理します。
| 媒体 | カード枚数 | 推奨サイズ / 比率 | メモ |
|---|---|---|---|
| Meta(Facebook/Instagramフィード) | 2〜10枚 | 1080×1080 / 1:1 | jpg・png、各カード最大30MB(Meta公式) |
| Instagramストーリーズ | 最大3枚 | 1080×1920 / 9:16 | 縦全画面(Latrus) |
| LINE | 最大10枚 | 1080×1080 / 1:1のみ | 正方形のみ、説明文40字(Forcle) |
| X(旧Twitter) | 2〜6枚 | 800×800(1:1)/ 800×450(16:9) | 比率1.91:1〜1:1(デジマラボ) |
Meta(Facebook・Instagram)の仕様
Metaのカルーセルは、2〜10枚のカードで構成します。推奨解像度は1080×1080ピクセル、アスペクト比は1:1が基本です(Meta公式)。ファイル形式はjpgとpng、各カード最大30MBまでです。
注意したいのは、Instagramでも配信面で仕様が変わる点です。フィードは最大10枚・1:1ですが、ストーリーズは最大3枚・9:16の縦型になります(くるみ/Latrus)。フィード用の正方形画像をそのままストーリーズに使うと、上下に余白が出たり中央だけ切り取られたりします。配信面ごとにサイズを用意するのが前提です。
もう1つの原則が「全カードを同じサイズで統一する」ことです。カード間でサイズや比率を混ぜると、表示崩れや意図しないトリミングが起きます。
LINE・Xの仕様
LINE広告のカルーセルは最大10枚まで設定できますが、画像サイズは1080×1080の正方形のみで、長方形は使えません(Forcle)。説明文(ディスクリプション)が40字までと、通常の画像広告の75字より短い点にも注意します。実際の配信では3〜5枚構成がCVRの高い傾向にあるとされ、最大の10枚を必ずしも埋める必要はありません。LINEの配信面ごとの設計はLINE広告クリエイティブ完全ガイドで詳しく解説しています。
X(旧Twitter)のカルーセルは2〜6枚で構成します。比率は1.91:1〜1:1の範囲で、1:1なら800×800、16:9なら800×450が推奨です(デジマラボ)。Metaより最大枚数が少ないため、伝えたい要素を絞り込む設計が向いています。
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成果を出すカルーセル広告の作り方

カルーセルは、カードを並べる順番で反応が変わります。「最初のカードで止める→中間で見せる→最後で動かす」の3段で設計するのが基本の型です。
最初のカードで止める

スワイプされる前に、まず最初のカードで指を止めてもらう必要があります。多くのユーザーは最初のカードしか見ずに通り過ぎるため、ここに一番強い訴求を置きます。
具体的には、商品名や価格、いちばん刺さるベネフィットを最初のカードに集約します。「続きは2枚目で」と情報を出し惜しみすると、そもそも2枚目に進んでもらえません。最初のカードの優先順位の付け方はバナーのファーストビュー設計の考え方がそのまま使えます。
2枚目以降は「並べる」か「つなげる」
中間のカードには、大きく2つの組み立て方があります。
1つは並べる型です。1カード1商品・1機能で、独立した情報を横に並べます。ECで複数の売れ筋を見せる、機能を1つずつ紹介する、といった使い方です。どのカードから見ても意味が通るのが利点です。
もう1つはつなげる型です。ステップやビフォーアフターを順番に並べ、全体で1つの流れを作ります。「課題→解決→結果」のように構成すると、最後まで読み進める動機が生まれます。商材が「説明で価値が伝わるもの」なら、つなげる型が向いています。
最後のカードで行動を促す

最後のカードは、行動を促すCTAの役割を持たせます。ここまで見たユーザーは関心が高いため、「今すぐ購入」「無料で試す」など、次の一歩をはっきり示します。
最終カードに、ロゴ・キャンペーン情報・割引などの「あと押し」を置くのも効果的です。一覧を最後まで見たごほうびとして特典を見せると、クリックの背中を押せます。訴求の切り口を増やしたいときは広告の訴求パターン15選も参考にしてください。
カルーセル広告でやりがちな失敗と直し方
最後に、現場で起きやすい3つの失敗を整理します。自分のカルーセルに当てはまらないか確認してみてください。
失敗1:カードを埋めることが目的になる。 最大枚数まで入れようとして、後半のカードが薄くなるケースです。LINEのデータでも3〜5枚構成のCVRが高い傾向があるとおり、枚数より「全カードが仕事をしているか」が大事です。中身のないカードは削ります。
失敗2:カードごとにサイズや比率がバラバラ。 トーンやサイズが揃っていないと、スワイプしたときに表示が崩れ、雑な印象になります。サイズ・余白・フォント・色のルールを全カードで統一し、1つの広告として見えるようにします。
失敗3:最初のカードが弱い。 後半に良いカードを置いても、最初のカードで止められなければ見てもらえません。一番強い訴求を最初のカードに持ってきて、続きを見たくなる入口を作ります。
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よくある質問
Q. カルーセル広告のカードは何枚にするのがいいですか?
媒体の上限内で、伝えたい要素の数だけにするのが基本です。Metaは最大10枚ですが、LINEの配信データでは3〜5枚構成がCVRの高い傾向にあります。枚数を埋めることより、全カードに役割があるかを優先してください。
Q. カルーセル広告は単一画像バナーよりも成果が出ますか?
商材次第です。伝えたい要素が複数ある商材(多商品EC、機能が多いサービス、ビフォーアフター)では向きます。訴求が1つに絞れているなら、単一画像バナーのほうがシンプルに届きます。両方をA/Bテストして比べるのが確実です。
Q. 全媒体で同じ画像を使い回せますか?
そのままの使い回しは避けてください。Metaフィードは1:1、Instagramストーリーズは9:16、Xは1:1〜16:9と、媒体・配信面でサイズが異なります。配信面ごとに比率を合わせて作り直すか、自動でサイズ展開できるツールを使います。
Q. カードの順番は途中で入れ替えられますか?
Metaなどでは、自動最適化をオンにすると成果の高いカード順に自動で並べ替えられる設定があります。ただし、順番に意味があるストーリー型の場合は固定したほうが意図が伝わります。並べる型なら自動最適化、つなげる型なら手動固定が目安です。
まとめ — カルーセル広告は「仕様・型・検証」で決める
カルーセル広告は、次の3点を押さえると成果につながります。
- 仕様: 媒体ごとの枚数・サイズを守る(Metaは2〜10枚・1:1、LINEは正方形のみ、Xは2〜6枚)
- 型: 最初のカードで止める→中間で並べる/つなげる→最後で動かす
- 検証: 枚数や順番の違うパターンをA/Bテストし、自社の勝ち筋を見つける
まずは今あるカルーセルを1つ選び、最初のカードの訴求を最も強いものに差し替え、薄いカードを削ってみてください。枚数を足すより、最初のカードと全カードの質を上げるほうが、クリック率の差として数字に現れるはずです。




