展示会・カンファレンスの広告は、当日ではなく来場前で成果がほぼ決まります。国内では2019年に603件の展示会が開かれ、来場者は約749万人にのぼりました(才流/日本展示会協会)。その93.7%はBtoB展示会で、コロナ後も東京ビッグサイトの開催件数が2020年の85件から2022年に241件まで戻り、2024年は500件以上の開催が予定されています(才流・ジェトロ)。出展のチャンスは増えましたが、そのぶん同じ会場に競合が並び、「ただ出展する」だけでは埋もれます。EventHubも、展示会は当日勝負に見えて成果の大半は会期前の準備で決まると指摘しています。この記事では、来場とリード獲得につながる展示会広告の設計方法を、実務者向けに整理します。
この記事でわかること
- 展示会広告が「来場前・会期中・会期後」の3フェーズで決まる理由
- 集客につながらない展示会広告の定番の失敗パターン
- 来場と商談につながる展示会広告の訴求5パターン
- LinkedIn・Meta・Googleの媒体別の集客設計とサイズ
- 会期前に間に合わせる制作フロー
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展示会広告は「来場前・会期中・会期後」で設計する

展示会広告づくりは、バナーのデザインより前に「いつ・誰に・何のために届けるか」を決めるところから始まります。ここを飛ばして会期直前に告知だけ出すと、通りすがりの来場は増えても、会いたかった相手には届かず、名刺は集まっても商談につながりません。
展示会の成果は、会期当日の一点ではなく、来場前・会期中・会期後の3つのフェーズに分かれます。広告が効くのは主に「来場前」です。まずこの全体像を押さえると、一枚のバナーに何を言わせるかが決まります。
成果の大半は会期前の事前集客で決まる

展示会は当日勝負だと思われがちですが、実際は会期前の集客で成果の多くが決まります(EventHub)。会いたい相手に「ブースに来てください」と事前に届け、来場を約束してもらえた数が、当日の商談数の上限になるからです。
具体的には、既存顧客や見込みリストへのメール、SNSやWeb広告での告知、特設ページでの事前申込みが主な手段です。来場者リストや出展者リストが手に入るなら、狙う企業へ事前アポを打診します(start-link)。広告バナーは、この事前集客を後押しする「来場を促す一枚」として設計します。
BtoB展示会は年600件超・来場者749万人の激戦

いま展示会広告に力を入れる意味を、市場の数字から確認します。2019年時点で国内の展示会は年603件、出展社数は約7.7万社、来場者は約749万人という規模でした(才流/日本展示会協会)。そのうち93.7%がBtoB展示会で、ビジネス目的の来場が中心です。
会場も集中しています。東京ビッグサイトだけで年296件(全体の49.0%)が開かれ、幕張メッセ、インテックス大阪と続きます(才流)。同じ時期・同じ会場に競合がひしめくため、「なぜこのブースに立ち寄るべきか」を来場前に伝えられたかどうかで差がつきます。
決裁者か担当者か、誰に来てほしいかを先に決める

同じ展示会でも、誰に来てほしいかで刺さる言葉は変わります。情報収集中の若手担当者と、導入を決める立場の決裁者では、響く訴求がまったく違います。担当者には「まず見て触れる」体験を、決裁者には「導入で何が変わるか」を先に見せます。
来てほしい相手を一人に絞ると、広告のコピーもターゲティングも決めやすくなります。BtoBでは、この「誰に」がそのまま媒体選びに直結します。決裁者に届けたいならLinkedIn、幅広い見込み客ならMetaやGoogle、と面を分ける設計につながっていきます。BtoBのメディア面での届け方は、メディア面での広告設計もあわせて参考にしてください。
集客につながらない展示会広告の失敗パターン

フェーズ設計の次に、つまずきやすい失敗を先に潰しておきます。展示会広告は「出展のお知らせ」で満足してしまいがちで、来場動機のないまま出稿して費用を溶かす例が少なくありません。順に整理します。
「出展します」の告知だけで来場動機がない

いちばん多い失敗が、「◯◯展に出展します」だけで終わっているバナーです。事実は伝わりますが、来場者からすると「だから何を見に行けばいいのか」がわかりません。告知は入口であって、来場する理由にはなりません。
来場動機は、相手が得られるものとセットで初めて生まれます。「ブースで実機デモが見られる」「その場で個別相談できる」「来場者限定の資料がもらえる」のように、行く理由を1つ具体的に添えます。告知+来場メリットの組み合わせが、クリックと来場予約の分かれ目になります。
会期直前に作り始めて間に合わない

事前集客は、成果の多くを左右するのに時間がかかります(EventHub)。メール告知、Web広告、事前アポは、数日では十分な母数に届きません。会期の1〜2週間前に慌ててバナーを一枚作り始めると、配信期間が足りず、来場予約が積み上がらないまま当日を迎えます。
理想は、会期の3〜4週間前から告知を始め、媒体・訴求ごとに複数のバナーを走らせて反応を見ることです。ここで効くのが制作スピードです。訴求違いのバナーを早く・多く用意できるほど、事前集客の期間をフルに使えます。
ターゲットが広すぎて誰にも刺さらない

「すべての製造業の方へ」のように対象を広く取ると、コピーは抽象的になり、結局誰の心にも残りません。BtoB展示会は来場者の役割も課題もバラバラで、全員に向けた言葉は誰にも刺さらない広告になりがちです。
対象を「生産管理の効率化に悩む中堅メーカーの現場責任者」まで絞ると、コピーもビジュアルも具体的になります。展示会は複数のセグメントが来る場なので、狙う層ごとにバナーを作り分けるのが効果的です。一枚で全員を狙わず、相手を絞った複数枚で攻めます。
根拠のない「業界No.1」「世界初」

出展をアピールしたいあまり、「業界No.1」「世界初」といった最上級表現を根拠なく使うのも避けたい失敗です。客観的な根拠を示せない優位性の主張は、景品表示法上の優良誤認にあたり得ます(消費者庁)。BtoBの相手は目が肥えており、裏づけのない誇張はかえって信頼を損ないます。
数値や優位性を訴求するなら、出典や調査の時期・対象を添えられる事実に絞ります。「導入◯社」「処理速度◯倍(自社比較・条件明記)」のように、根拠とセットにできる表現が、審査にも相手にも通ります。
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来場につながる展示会広告の訴求5パターン

失敗を押さえた上で、来場予約や事前アポにつながりやすい訴求パターンを整理します。展示するもの・狙う相手・会期までの期間に合わせて選びます。
パターン1: 事前アポ・商談予約型

「ブースで個別相談・事前予約受付中」。会う約束を先に取る型です。展示会リードは、ホット(Aランク)まで温まると商談化率が30〜50%に上がるとされ、事前に予約が入った相手は当日いちばん濃い商談になります(start-link)。
来場者リストや自社の見込みリストから狙う企業を選び、「当日◯分の枠を確保します」と具体的に誘います。決裁者に届けたい訴求なので、後述のLinkedInと相性が良い型です。予約フォームや日程調整ページへ最短で飛ばす設計にします。
パターン2: ブース誘導・体験デモ型

「◯◯小間で実機デモ」「その場で試せます」。会場で何が体験できるかを見せる型です。情報収集で回っている担当者は、実際に見て触れられるブースに立ち寄ります。展示会のリード獲得率は来場者全体の5〜10%が目安とされ、通りがかりを止められるかが数を左右します(EventHub)。
小間番号、デモの内容、体験の所要時間を具体的に示すと、当日の動線に乗ります。「AI◯◯を実演」のように、見られるものを一言で伝えます。会場マップに載る前に、来場前のバナーで「ここに行く」と決めてもらうのが狙いです。
パターン3: セミナー・登壇訴求型

「代表◯◯が登壇/協賛セミナー開催」。誰が何を話すかで集客する型です。カンファレンスや併催セミナーは、テーマと登壇者が来場動機そのものになります。聞きたい話がある人は、席の予約のために早く動きます。
登壇者の実績、セッションのテーマ、日時と会場を明確に出します。「◯◯の実践事例を公開」のように、持ち帰れる中身を予告すると申込が増えます。セミナー枠は席数に上限があるため、「先着◯名」で早期の申込を後押しできます。
パターン4: 来場特典・限定オファー型

「来場者限定の資料配布」「ブース来訪でノベルティ」。行く理由を1つ足す型です。展示会は行くかどうか迷う人が多く、限定の特典が最後のひと押しになります。事前集客の告知と組み合わせると、来場予約の後押しになります。
特典は、対象・数量・受け取り方法まで具体的に示します。「事前登録者に業界レポートを進呈」のように、申込のメリットを明確にします。特典目当ての名刺だけで終わらせないよう、特典と自社の提供価値をつなげた設計にします。
パターン5: 課題解決・ソリューション型

「◯◯の課題、ブースで解決策を」。相手の悩みに正面から刺す型です。BtoBの来場者は、自社の課題を解く手がかりを探しに来ています。「生産管理の属人化」「採用コストの高騰」のように、具体的な課題を言い当てると、自分ごととして立ち止まります。
課題を主語にし、その場で得られる答えを添えます。ターゲットを絞るほど課題は具体的になり、コピーは強くなります。パターン1〜4が「来場のきっかけ」なら、この型は「なぜ自社に関係あるか」を伝える骨格として、他の型と組み合わせても効きます。
媒体別の集客設計とサイズ

展示会広告は、媒体ごとに届く相手と勝ちやすいサイズが変わります。決裁者にはLinkedIn、幅広い見込み客にはMetaとGoogle、既存の関係にはメールと、役割を分けて設計します。仕様は更新されるため、配信前に各媒体の最新ヘルプを必ず確認してください。
LinkedIn — 決裁者・役職でターゲティングする

決裁者や役職者に届けたいなら、LinkedInが有力です。役職者・決裁層の利用率が高く、業種・職種・企業規模・役職といった条件で細かく絞り込めるため、BtoB展示会の集客と相性が良い媒体です(markerise)。事前アポ型・課題解決型の訴求を、狙った肩書きの相手に直接届けられます。
シングル画像広告の推奨サイズは1200×627px(1.91:1)、正方形なら1200×1200px(1:1)です。見出しは最大70文字、導入テキストは最大150文字が目安とされています(LinkedInヘルプ)。限られた文字数で「誰に・何のメリットがあるか」を言い切る設計にします。
Meta(Facebook/Instagram)— 見込み客とリターゲティング

Metaは、幅広い見込み客への告知とリターゲティングに向きます。業種・職種・地域などのセグメントで対象を絞って配信でき、特設サイトにリターゲティングタグを埋めておけば、一度訪れた見込み客に展示会の広告を追いかけて配信できます(ワンダーライン)。体験デモ型・来場特典型のビジュアル訴求と噛み合います。
推奨サイズはMetaの公式ガイドに基づきます(Meta Business Ads Guide)。バナーデザインの基本はバナーデザインのコツも参考にしてください。
| フォーマット | 推奨サイズ | アスペクト比 |
|---|---|---|
| Instagramフィード | 1080×1350px | 4:5 |
| Facebookフィード | 1080×1080px | 1:1 |
| ストーリーズ/リール | 1080×1920px | 9:16 |
Google(検索・ディスプレイ)— 展示会名で探す顕在層

「◯◯展 出展社」「業界名+展示会」と検索する人は、来場を前提に情報を集めている顕在層です。リスティング広告で展示会名や関連キーワードを押さえると、来場意欲の高い相手に届きます(ワンダーライン)。あわせてディスプレイ(GDN)で、事前集客の告知を面で広げます。
GDNのバナーは、掲載面の多い3サイズを押さえます(Google広告ヘルプ)。
| サイズ | 名称 | 用途 |
|---|---|---|
| 300×250px | レクタングル | 最も掲載面が多い |
| 728×90px | リーダーボード | PC上部 |
| 320×50px | モバイルバナー | スマートフォン |
業界メディア・メール・特設LP — 既存リストを動かす

新規だけでなく、すでにつながりのある相手を動かすのも展示会集客の柱です。既存顧客や見込みリストへのメール・メルマガ、業界メディアへの出稿、事前申込みを受ける特設LPを組み合わせます(EventHub・start-link)。メールバナーやLPのキービジュアルも、訴求5パターンで作り分けます。
これらの面は、来場後のフォローにもそのまま使えます。会期後は24〜48時間以内のお礼メールが効果的とされ、ホットな相手には翌日、ウォームには2〜3日以内、コールドには1週間以内が対応の目安です(EventHub・start-link)。同じ訴求のバナーを、事前集客とフォローで一貫させると、相手の記憶に残りやすくなります。
会期前に間に合わせる制作フロー

展示会広告は、表現の良し悪し以前に「会期前の期間をどれだけ使えるか」で決まります。間に合わせて、かつ複数の訴求を試すための制作フローを、順番に整理します。
- 来てほしい相手を1つに絞る(決裁者か担当者か・どの課題を持つ人か)
- フェーズと媒体を決める(会期前の集客が主戦場。決裁者はLinkedIn、見込み客はMeta/Google、既存はメール)
- 訴求パターンを選ぶ(事前アポ・体験デモ・セミナー・来場特典・課題解決の5型から)
- 来場メリットと根拠を添える(告知で終わらせない。No.1・世界初は根拠とセットで)
- 媒体サイズに展開する(LinkedIn 1.91:1/Metaの4:5・1:1・9:16/GDN3サイズへ)
出発点は「来てほしい相手」(ステップ1)です。ここが決まれば、媒体も訴求もサイズも一本の線でつながります。展示会名で探す顕在層の受け皿として、バナー広告 完全ガイドやバナー広告の基本も押さえておくと、この流れがよりスムーズに回ります。
Taskyで展示会のバナーを量産する

会期前の限られた期間で、狙った相手ごとにバナーを作り分けようとすると、すぐに制作リソースの壁に当たります。
来てほしい相手(決裁者・担当者・課題別)×訴求5パターン×媒体×サイズを掛け合わせると、1回の出展でも数十枚のバナーが必要になります。これを外注すると1枚5,000〜30,000円、納期も数日〜2週間かかります(Tasky product.md)。試したい訴求があるのに、会期に間に合わない状態になりがちです。
Taskyなら、製品ページや展示会情報のURLを入力するだけで、AIが商材分析・訴求設計・バナー生成・サイズ展開まで一気通貫で実行します。月間生成数はPersonalプランで約180枚、Agencyプランで約1,100枚(Tasky product.md)。1枚あたり約45円〜で、外注比で約1/50に制作コストを圧縮でき、マジックリサイズでLinkedIn・Meta・GDNのサイズも自動展開します。導入企業では、工数を75%削減してバナーを4倍に増やした事例や、CPAが外注比1/3に改善した事例があります(Tasky case-studies.md)。検証量が月3〜5パターンから月30〜50パターンに増えた事例もあります(Tasky case-studies.md)。
事前アポ・体験デモ・来場特典のバリエーションを一括生成し、各媒体に入稿して反応を比べる。この検証サイクルを会期前に高速で回せることが、競合がひしめく展示会で来場を積み上げる近道です。
よくある質問
Q. 展示会の集客はどの広告媒体が効果的ですか?
決裁者に届けたいならLinkedInが有力です。業種・職種・企業規模・役職で細かく絞り込め、BtoB展示会と相性が良い媒体です。幅広い見込み客への告知やリターゲティングにはMetaやGoogle、すでにつながりのある相手には既存リストへのメールが効きます。展示会は成果の多くが会期前に決まるため、複数の媒体を組み合わせて事前集客の母数を増やすのが基本です。
Q. 展示会の広告はいつから準備すればいいですか?
会期の3〜4週間前から告知を始めるのが目安です。事前集客はメール・Web広告・事前アポで母数を積み上げる作業で、数日では十分な来場予約になりません。直前に慌てて一枚作るのではなく、早い段階から訴求違いのバナーを複数走らせ、反応の良いものに予算を寄せていくと、限られた会期前の期間を無駄なく使えます。
Q. 展示会広告の訴求は何を打ち出せばいいですか?
「出展します」の告知だけでは来場動機になりません。事前アポ・商談予約、ブースでの体験デモ、セミナー登壇、来場者限定の特典、課題解決の5パターンから、来てほしい相手に合わせて選びます。決裁者には「導入で何が変わるか」、情報収集中の担当者には「見て触れる体験」を添えると、来場予約につながりやすくなります。
Q. 「業界No.1」「世界初」と広告に書いてもいいですか?
客観的な根拠がなければ避けてください。裏づけのない最上級表示は、景品表示法上の優良誤認にあたり得ます。数値や優位性を訴求するなら、調査の時期・対象・出典や、比較の条件をセットにできる事実に絞ります。BtoBの来場者は目が肥えているため、根拠のある表現のほうが信頼され、商談にもつながります。
まとめ
- 国内の展示会は年600件超・来場者約749万人で、その9割超がBtoB。出展だけでは埋もれる激戦になっている
- 展示会広告は「来場前・会期中・会期後」の3フェーズで設計し、成果の多くは会期前の事前集客で決まる
- 「出展告知だけ」「会期直前の着手」「対象が広すぎる」「根拠のないNo.1」は集客できない定番の失敗
- 来場につながる訴求は「事前アポ」「体験デモ」「セミナー登壇」「来場特典」「課題解決」の5パターン
- 決裁者はLinkedIn、見込み客はMeta/Google、既存はメールと媒体を分け、会期前に検証回数を増やすことが来場を積み上げる近道
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