新電力広告は、料金の安さ・切り替えの手軽さ・ガスとのセット・再エネと、検討のきっかけがバラバラな商材です。電力小売は2016年4月に全面自由化され、家庭も電力会社やプランを選べるようになりました(資源エネルギー庁)。小売電気事業者の登録数は2025年1月末で747者に上ります(資源エネルギー庁)。一方で、電話勧誘による契約切り替えのトラブルも多く、相談件数は2018年7〜9月に1,195件に達しました(国民生活センター)。だからこそ、料金と切り替えを扱う広告ほど、規制のラインを守りながら申し込みにつなぐ設計が問われます。この記事では、新電力・電気・ガス広告の作り方を実務者向けに整理します。
この記事でわかること
- 新電力広告が「検討動機・検討段階・契約単位」から決まる理由
- 必ず安くなる・◯円お得・実質再エネ100%など、差し戻されやすい定番NG
- 成約につながる訴求5パターン(料金メリット・セット割・切り替え簡単ほか)
- 検索・比較サイト・SNS・動画の媒体別の配信設計とサイズ
- 検討動機と媒体を軸に検証を回す制作フロー
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新電力広告は「検討動機×検討段階×契約単位」で決まる

新電力広告づくりは、デザインの前に「誰に、どの動機で、どの検討段階に、どの契約単位で届けるか」を決めるところから始まります。ここを飛ばして雰囲気で作ると、料金だけを比べている人に環境価値を語ったり、まだ関心の薄い人に申し込み導線を見せたりして、費用が散らばりがちです。
電気やガスは、切り替えても届く電気そのものは変わりません。だから広告で動かせるのは「料金・手間・付帯価値・信頼」の見せ方です。747者が競う市場では(資源エネルギー庁)、どの動機の相手にどの価値を差し出すかで勝負が決まります。まず届ける相手を絞ることが起点になります。規制の重い商材で信頼を軸に設計する考え方は規制業界の広告の作り方も参考になります。
検討動機(料金・手間・セット・環境)で刺さる言葉が変わる

新電力・電気を検討する動機は、大きく4つに分かれます。電気代を安くしたい、切り替えの手続きを面倒に感じている、ガスや通信とまとめてお得にしたい、再エネなど環境に配慮したい。この動機ごとに、響く言葉も見せるべき材料も違います。
料金が動機なら毎月の負担、手間が動機なら手続きの簡単さ、セットならまとめた割引、環境なら電源の中身が材料になります。1枚のバナーで全部を狙うと、どの層にも中途半端になります。まず主役にする動機を1つ決めてから、訴求とビジュアルを組み立てます。
顕在層は検索・比較サイト、潜在層はSNS・動画

同じ動機でも、検討段階(ファネル)によって刺さる言葉は変わります。「電気代 安く 比較」「新電力 おすすめ」で検索する人は、もう切り替えを前向きに考えている顕在層です。ここには料金プランの目安・シミュレーション・申し込み導線など、選ぶ材料を出します。
一方、SNSや動画で偶然広告に触れる人の多くは、まだ「電気代が高いな」程度の潜在層です。ここに細かい料金表を見せても早すぎます。毎月の電気代の変化や手続きの手軽さで「うちも変えられそう」を先に作ります。顕在層は検索・電気料金の比較サイト、潜在層はSNS・動画と、面と訴求をセットで設計します。
家庭向け(低圧)と法人向け(高圧)で訴求が分かれる

新電力広告は、契約単位でも設計が分かれます。家庭向け(低圧)は、毎月数千円の負担感と切り替えの手軽さが軸です。個人が対象なので、分かりやすさと安心感を優先します。法人向け(高圧・特別高圧)は、金額規模が大きく、担当者が相見積もりで比較します。
法人向けは、コスト削減額の試算・切り替え実績・安定供給や契約条件といった、意思決定に必要な材料を出します。同じ「電気代削減」でも、家庭は生活実感、法人は年間コストと稟議のしやすさに翻訳します。まず自社の主力が家庭か法人かを決めてから、訴求と遷移先をそろえます。
新電力広告で差し戻される・トラブルになるNG表現

届ける相手を決めたら、次は表現のNGラインです。電気・ガスは料金メリットを盛りたくなる商材のため、景品表示法や電力の小売営業に関する指針、特定商取引法で問題になる定番パターンがあります。実際に消費者トラブルが起きている領域なので、順に整理します。
料金メリットの誇大・二重価格(「必ず安くなる」「◯円お得」)

新電力広告で最も差し戻されやすいのが、料金メリットの見せ方です。電気代が下がるかどうかは、現在の契約・使用量・エリア・季節で変わります。それを無視して「必ず安くなる」「誰でも◯円お得」と断定すると、標準的でない好条件を誰にでも当てはまるように見せることになり、有利誤認に当たり得ます(消費者庁)。
「今より◯%オフ」のように旧料金と比べて見せる場合も注意が必要です。比較対照の料金に実際の販売実績がないと、二重価格表示として有利誤認に当たり得ます(消費者庁)。シミュレーションを載せるなら、前提条件(現契約・使用量・エリアなど)を明記し、「試算であり結果は変わる」ことを添えます。数字は強い武器ですが、条件とセットにしてはじめて安心して使えます。景品表示法には不実証広告規制があり、優良誤認が疑われる表示は根拠資料を求められます(消費者庁)。
電源構成・再エネの誤認表示(「実質再エネ100%」)

環境価値を訴求するときは、電源の中身の見せ方に注意します。電力の小売営業に関する指針では、供給する電気の電源構成の表示が、調達計画と著しく異なるにもかかわらず目標どおりであるかのように需要家を誤認させる場合は問題になるとされています(経済産業省)。また、系統と電気的に接続されていない地域で発電された電気を供給する旨の表示は根拠を欠き、問題になります(経済産業省)。
「再エネ100%」「CO2ゼロ」といった訴求は、非化石証書などの裏付けと、その意味を正しく伝える表示が前提です。実際の電源構成や仕組みと乖離した見せ方は、審査でも信頼でも避けます。環境価値を掲げるほど、根拠を添えられる範囲で正確に書くことが求められます。デザインの見せ方はバナーデザインのコツも参考になりますが、電気では「その表示を証明できるか」までが前提になります。
電話勧誘・訪問販売のトラブル(大手を装う・不実告知)

電気・ガスは、電話勧誘や訪問販売のトラブルが多い領域です。「電気代が安くなる」と説明しながら、大手電力会社を装って契約を切り替えさせる手口の相談が増え、電話勧誘トラブルの相談は2018年7〜9月に1,195件に達しました(国民生活センター)。国民生活センターは、勧誘の際に検針票の情報を安易に伝えないよう注意を呼びかけています(国民生活センター)。
広告の表現でも、大手電力会社の名前や公式であるかのように誤認させる見せ方、事実と異なる説明は避けます。切り替えは自由でも、誤認させる勧誘は特定商取引法や指針の観点で問題になり得ます(国民生活センター)。誠実な情報提供に徹することが、結果的に申し込みの質と継続率を上げます。
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成約につながる新電力広告の訴求5パターン

NGラインを押さえた上で、新電力広告で申し込みや資料請求につながりやすい訴求パターンを整理します。検討動機と契約単位に合わせて選びます。
パターン1: 料金メリット・シミュレーション訴求型

「今の電気代、見直すだけで変わるかも」。毎月の電気代負担を入り口にする、いま最も動機づけしやすい型です。電気料金の高さを実感している層は多く、「同じ電気を、より安いプランで」という提案は分かりやすいメリットになります。潜在層の関心づくりにも、顕在層の後押しにも使えます。
ただし「必ず安くなる」のような断定は避けます(消費者庁)。削減幅は現契約や使用量で変わるため、「使い方によっては電気代を抑えられる」「まずは無料でシミュレーション」といった、前提つきの表現に寄せます。数字を出す場合は試算条件を添え、旧料金と比べるときは二重価格に注意します。
パターン2: セット割・付帯サービス訴求型

「電気とガスをまとめて、毎月おトクに」。ガスや通信とのセット割、ポイント還元などの付帯価値を前面に出す型です。電気そのもので差がつきにくいぶん、「まとめると得」「貯まる・使える」は乗り換えの後押しになります。すでに料金比較で迷っている層に、決め手を足せます。
セット割やポイントを訴求するなら、割引の条件・適用期間・還元率の前提を正確に示します。「最大◯円割引」だけを強調して条件を省くと、有利誤認や不信につながります(消費者庁)。付帯価値は分かりやすさが命なので、複雑な条件はバナーで盛らず、遷移先で丁寧に説明する形にします。
パターン3: 切り替えかんたん・手間ゼロ訴求型

「切り替えは、今の使い方そのままでOK」。切り替えの手続きの手軽さを訴求する型です。電気の切り替えは工事不要・停電なしで、申し込みだけで済むことが多いのに、「面倒そう」で止まっている層が少なくありません。この心理的なハードルを下げると、迷っている人が動きます。
「Webで◯分」「工事不要」「今の設備そのまま」など、手間の少なさを具体的に見せます。ただし切り替えの流れや、解約時の条件があるプランなら、その点も遷移先で正直に説明します。手軽さを強調するほど、後から「聞いていない」を生まない設計が、継続率とトラブル防止につながります。
パターン4: 再エネ・環境価値訴求型

「使う電気を、再エネに切り替える」。再生可能エネルギー由来のプランや、環境への貢献を訴求する型です。料金だけでは動かない層や、企業のサステナビリティ担当に響きます。法人向けでは、脱炭素の取り組みとして電気の切り替えを位置づける提案とも相性が良い型です。
環境訴求は、電源構成や仕組みの裏付けを添えられる範囲で書きます。「実質再エネ100%」などの表示は、非化石証書等の根拠と正しい説明が前提で、実態と乖離すると問題になります(経済産業省)。誇張ではなく、何がどう再エネなのかを正確に伝えるほうが、環境価値を重視する相手には効きます。
パターン5: 実績・信頼・サポート訴求型

「契約数◯万件」「切り替え後もサポート」。会社としての信頼で選んでもらう型です。電気・ガスは勧誘トラブルが多いぶん(国民生活センター)、「この会社なら任せて安心」という信頼が意思決定を左右します。相見積もりで比較される法人向けや、慎重な家庭層に効きます。
信頼訴求は、根拠を添えられる事実に絞ります。「契約実績」「サポート体制」「運営会社の情報」など、確認できる材料を出します。大手を装う見せ方や、根拠のないNo.1表示は避けます(消費者庁)。脅しや誤認ではなく、実績・サポート・透明性で安心を作るのが、成約とトラブル防止の両面で効きます。規制の重い商材での信頼設計は規制業界の広告の作り方も参考になります。
媒体別の配信設計とサイズ

新電力広告は、媒体ごとに届く層と勝ちやすいサイズが変わります。顕在層は検索と料金比較サイト、潜在層はSNSと動画と、役割を分けて設計します。規制やサイズは更新されるため、配信前に各媒体の最新ヘルプを必ず確認してください。
リスティング・ディスプレイ — 顕在層と比較サイト

いま切り替えを検討している顕在層には、検索広告とリスティングが効きます。「電気代 安く」「新電力 比較」「地域名+電気」で調べる人に、料金の目安・シミュレーション・申し込み導線を見せます。ここは温度が高いので、選ぶ材料をそろえて取りこぼさないことが第一歩です。
検索連動のディスプレイ広告を出すなら、GDNの3サイズを押さえます(Google広告ヘルプ)。電気料金の比較サイトへの掲載も、顕在層に近い面として検討します。バナーの基本はバナー広告の基本も参考にしてください。
| サイズ | 名称 | 用途 |
|---|---|---|
| 300×250px | レクタングル | 最も掲載面が多い |
| 728×90px | リーダーボード | PC上部 |
| 320×50px | モバイルバナー | スマートフォン |
Instagram・Meta — 暮らしと世界観

Instagramは、電気代を見直した暮らしや、ガスとのセットで浮いたお金の使い道など、切り替え後のイメージで潜在層を引き込むのに向いた媒体です。まだ本格検討に入っていない人に「うちも変えられそう」を作れます。写真やリールで、料金や手続きの手軽さをビジュアルで訴求します。
推奨サイズはMetaの公式ガイドに基づきます(Meta Business Ads Guide)。
| フォーマット | 推奨サイズ | アスペクト比 |
|---|---|---|
| Instagramフィード | 1080×1350px | 4:5 |
| Facebookフィード | 1080×1080px | 1:1 |
| ストーリーズ/リール | 1080×1920px | 9:16 |
YouTube・地域メディア — 潜在層と幅広い年代

YouTubeや地域メディアは、切り替えの流れや利用者の声を動画で伝えられる面です。電気・ガスは「なんとなく面倒」で止まりがちなため、手続きの様子やサポートを見せると、不安の解消に効きます。持ち家・賃貸を問わず幅広い年代にリーチできるのも、生活インフラ商材と相性が良い点です。
新電力広告では、自社サイトやSNSは「信頼づくり」、比較サイトやリスティングは「申し込み」と役割を分けます。地域や高額商材の集客設計は、太陽光広告の訴求設計でも同じ考え方を扱っています。
「検討動機×媒体」で検証を回す制作フロー

新電力広告は、表現の良し悪し以前に、届ける相手と検討動機の設計が先です。申し込みにつなげるための制作フローを、順番に整理します。
- 検討動機を決める(料金・手間・セット・環境のどれを主役にするか)
- 契約単位を選ぶ(家庭向け/法人向けのどちらで訴求するか)
- 検討段階で面を選ぶ(顕在層は検索/比較サイト、潜在層はSNS/動画)
- 訴求パターンを選ぶ(料金メリット・セット割・切り替え簡単・再エネ・信頼の5型から)
- NG表現を照合する(必ず安くなる・根拠なき◯円お得・実質再エネ100%・大手を装う勧誘を外す)
出発点は検討動機と契約単位(ステップ1・2)です。ここが決まれば、後のNGチェックは範囲内かどうかの照合で済みます。新電力広告は、まず設計を固めてからデザインに入ることで、この流れがスムーズに回ります。媒体サイズへの展開まで含めると、1つの動機だけでも数十枚が必要になります。
Taskyで新電力・電気のバナーを量産する

検討動機ごと・媒体ごとに新電力・電気のバナーを量産しようとすると、すぐに制作リソースの壁に当たります。
動機(料金・手間・セット・環境)×契約単位×媒体×サイズを掛け合わせると、1社でも数十枚のバナーが必要になります。これを外注すると1枚5,000〜30,000円、納期も数日〜2週間かかります(Tasky product.md)。試したい訴求があるのに、制作が追いつかない状態になりがちです。
Taskyなら、自社サイトや料金プランページのURLを入力するだけで、AIが商材分析・訴求設計・バナー生成・サイズ展開まで一気通貫で実行します。月間生成数はPersonalプランで約180枚、Agencyプランで約1,100枚、1枚あたり約45円〜で、外注比で約1/50に制作コストを圧縮でき、マジックリサイズで媒体サイズも自動展開します(Tasky product.md)。導入企業では、工数を75%削減してバナーを4倍に増やした事例や、CPAが外注比1/3に改善した事例があります(Tasky case-studies.md)。検証量が月3〜5パターンから月30〜50パターンに増えた事例もあります(Tasky case-studies.md)。
料金メリットの「シミュレーション」、電気ガスの「セット割」、手続きの「切り替え簡単」を一括生成し、それぞれの面に入稿して反応を比べる。新電力広告は、この検証サイクルを高速に回せることが、規制のラインを守りながら申し込みを増やす近道です。
よくある質問
Q. 新電力の集客はどの広告媒体が効果的ですか?
いま切り替えを検討している顕在層には検索広告と電気料金の比較サイト、まだ本格検討前の潜在層にはInstagramなどのSNSやYouTubeが効きます。家庭向けは対応エリアに配信を絞り、法人向けはコスト削減の試算を見せる導線が有効です。予算が限られるなら、温度の高い検索と、暮らしのイメージを見せられるSNSの2本から着手するのが現実的です。
Q. 新電力広告で気をつける規制は?
景品表示法・電力の小売営業に関する指針・特定商取引法です。「必ず安くなる」「誰でも◯円お得」など、好条件を誰にでも当てはまるように見せると有利誤認に当たり得ます。旧料金と比べる二重価格は、比較対照に販売実績がなければ問題になります(消費者庁)。電源構成の表示が実態と著しく異なる場合も問題です(経済産業省)。料金やシミュレーションは前提条件を必ず添えてください。
Q. 電力会社の切り替え勧誘はなぜトラブルが多いのですか?
「電気代が安くなる」と説明しながら大手電力会社を装うなど、誤認させる勧誘が起きているためです。電話勧誘の相談は2018年7〜9月に1,195件に達しました(国民生活センター)。広告でも同じように公式や大手を装うと、審査でも信頼でもマイナスになります。事実と選択肢で誠実に伝えるほうが、結果的に申し込みの質と継続率が上がります。
Q. 再エネ・環境価値は広告でどう訴求すればいいですか?
「再エネ100%」などの表示は、非化石証書等の根拠と、その意味を正しく伝える説明が前提です。電源構成が実態と著しく異なる見せ方や、系統に接続していない電気を供給するかのような表示は問題になります(経済産業省)。何がどう再エネなのかを正確に示し、詳細は遷移先で説明する形にすると、環境価値を重視する相手に届きます。
まとめ
- 新電力広告は「検討動機・検討段階・契約単位」から設計する。主役にする動機を1つ決める
- 必ず安くなる・根拠なき◯円お得・二重価格・実質再エネ100%・大手を装う勧誘は、差し戻しやトラブルの定番NG
- 成約につながる訴求は「料金メリット」「セット割」「切り替え簡単」「再エネ」「実績・信頼」の5パターン
- 顕在層は検索/比較サイト、潜在層はSNS/動画と媒体を分ける
- 検討動機と媒体を軸に、規制内で検証回数を増やすことが申し込みと成約の近道
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